俳句や和歌、あるいは都々逸のリズム、七五調が、実はフラクタルな構造を持つことに気付いた。
七五調は別に日本独特のものではない。四拍子の強弱に言葉を載せたら自然に七五調のリズムになる。西洋の曲にも七五調のリズムの曲は多いし、一歳児でもすぐにリズムをとれるようになる。
これを試しに手で拍子をとってみる。oで手をたたき、xではたたかないものとして、
A: o o o o o o o x o o o o o x x x
のように表現できる。さらに表(おもて)の拍に強弱を付けると、
B: O o O o O o O x O o O o O x x x
となる。表拍だけをことさらに強調すると、
B': O x O x O x O x O x O x O x x x
となるが、これは実は最初のAの前半と同じ形になっている。つまり、七五調は自己相似なのである。
上では、リズムを粗視化したが、逆に裏拍の挿入ルールを考えることで、リズムの細分を試みる。裏拍は、拍と拍の間に挿入する。ただし、4つ連続では挿入しないことにする。まず最初のリズム
A: O O O O O O O X
に対して、裏拍を挿入すると、
B: OoOoOoOxOoOoOxXx
となる。間に挿入されたxは、4連続で裏拍挿入をしないことで、リズムに表情を与える。
あとは裏拍の裏拍を挿入し、さらにその裏拍、という具合にどんどんこまかく刻んでいくと、七五調フラクタルなリズムを形成することができる。