雑記

ドイツは本当に3位だったのか。

古い話で恐縮だが、ドイツが2006年のFIFAワールドカップの決勝トーナメントで一敗のあと3位決定戦で勝って3位になった話。

トーナメント方式は、最強のチームが優勝することは保証してくれるのだけど、それ以外のチームは、実力が順位に反映されるとは言えない。例えば、2番目に強いチームであっても、初戦で最強チームにあたってしまうと敗退してしまう。

そのようなシステムで、三位決定戦とはどんな意味を持つのか考えてみた。

準決勝に残った4チームをトーナメントで組み合わせる方法は3通りしかない。ワールドカップの例で言えば、フランスとあたる相手を、残り3チームのいずれにするかで、もう一方の対戦は自動的に決まってしまうからだ。

4つのチームが、異なる実力をもち、勝敗は実力のみで100%決まるものとすれば、対戦表を決めた時点で試合の結果がすべて決まる。どんな組みあわせにしても、最強のチームが優勝するのにかわりはないが、最強チームとどこが準決勝で当たるかで結果が違ってくる。準決勝で3番目もしくは4番目に強いチームが最強チームとあたった場合には、順当に決勝戦では最強チームと2番目に強いチームの戦いとなるのだが、運悪く2番目に強いチームが準決勝で最強チームと当たった場合にはそこで負けてしまう。負けたチームは3位決定戦で勝って3位におさまることになる。

結局、実力的には2位であっても、組み合わせによっては、1/3の確率で3位になってしまうということがわかる。だから、ドイツの順位は、厳密に言えば、2位x1/3+3位x2/3=8/3位と言うべきである。

もちろん、ここでの順位とは、準決勝まで勝ちのこった4チームの中での順位のことであって、そこに至るまでに交された全チームの中での強さを表しているわけではない、ということに留意すべきである。n回勝ち抜きのトーナメントで、第m回戦で破れたチームの実際の順位を統計的に推定する問題については、あらためて議論したい。


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