(興味があったので、ロイターの記事を勝手に訳してみました)
女性の名字が日本の選挙の争点
(原文 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/07/AR2010070701242.html
)
Yoko Kubota
東京(ロイター) 折田明子は1998年に結婚する際、夫婦別姓を認める民法改正までそれほどかからないと思っていたので、婚姻届を提出しないと決めた。
12年経ち、彼女はまだ提出していない。別姓問題は、次の日曜の参院選での争点となっている。
「私は自分の名前が好きだから使い続けたいのです。変えなければいけない理屈はないでしょ?」と 慶應大学の折田は言う。
「私たちは自分達が家族だと思っている。だけど、民法改正に反対する人たちは、私達が家族を壊すと言う。それは変ですよね。」
5%の消費税を倍増するなどの財政再建が今度の選挙の争点だが、名前に照準をあわせ、保守的な支持層の支持を求める政党もある。
選択的夫婦別姓を提唱する民主党が昨年政権についてから、議論は白熱し、政府が民法改正の法案を提出するだろうという期待を煽った。
だが、連立与党からの反対に直面し、政府は法案の提出を見送り、民主党はマニフェストから別姓問題を削除した。
最大野党の自民党と、民主党と連立している小さな国民新党は、選挙綱領で夫婦別姓に反対しているが、社民党は支持している。
じっくりと
夫婦同姓でなければならない国は、8大工業国のなかで、日本だけである。
この制度は、家督を男子が継ぐ、日本のかつての伝統的家族制度とつながっている。
民法改正に反対する人たちは、家族の一体性の問題であり、法改正により、子どもの自我への影響と離婚の増加を懸念している。
「伝統的な価値観を持ち、日本の家制度を重要だと思う人々は多い」と早稲田大学の山本武彦教授は言う。
男性は配偶者の姓にしても構わないが、実際には稀だ。職場では旧姓を使い、法律関係の書類には戸籍名を使いわける女性は増えつつある。
折田のように、配偶者の遺産相続などの障害もものともせず、合法的に旧姓を使えるように、そして職業上の理由で婚姻届を出さない者もいる。
2006年の政府調査では、36.6%が結婚後も望むなら旧姓を使えるように法改正すべきだと言った。これは2001年の調査から6ポイント下がったが1996年よりは4%高い。しかし夫婦は同姓であるべきで、法を改正する必要がないと言う者も35%いる。
しかし、折田らが夫婦別姓で婚姻届を提出できるにはまだしばらくかかるかもしれない。
民主党は参院選で過半数をとれそうになく、変化に抗する党と協力する必要があるかもしれない。民主党の中でさえ、この件については意見が割れている。
「今のところ、諦め気味だ」折田は言う「価値観の違いによる問題で社会全体の合意に至るのは困難だ」
(Editing by Sugita Katyal)(松本正和訳)