コメントスパムの真実
このページのコメント欄に、いかがわしいサイトへのリンクを書きこむ者があとをたたないので、しばらく前に、リンクを含んだコメントは記入できないように改造を加えた。
しかし、その後も、意味不明の書き込みは続いた。リンクが使えないので、自分のサイトに客を導くのには使えないはずなのに、「nice site! Michael Klein」とか、短い文章を、それも機械的に書き込む奴がいるのだ。なぜこんなわけのわからないことを書くのだろうか、と。
そこで、数年前に考えていた、ビジネスのことを思いだした。
インターネットが普及しはじめた頃は、自分のページにアクセスする人を増やすために、Yahoo!のようなポータルに登録したり、ほかのサイトに相互リンクを張ってもらおうと交渉したり、ということがよく行われていた。その後、Googleが登場してからは、サイトのプレゼンスを高めるためには検索結果の上位に出現することが最も効果的であるということになり、SEO(Search Engine Optimization)なるテクニックまでが現れるようになった。
しかし、サーチエンジンが強力になると、逆の問題がおこる。つまり、情報の流出がおこった時に大きな問題になる。一旦流出し、コピーされてしまった情報は、誰でも検索エンジンで探しだすことができ、もはや回収することはほとんど不可能になる。
だから、流出してしまった時に、その情報のさらなく拡散を食いとめることはビジネスになる、と考えたのだ。
どうすればそんなことができるか。それはこういうことである。例えば「松本正和」に関する個人情報がネットに流出してしまったとしよう。この情報を追跡し、しらみつぶしに情報を抹消するのは不可能である。ではどうすればいいか。にせの(そこそこ信憑性のある)個人情報を大量に流布させることで、情報を希釈し、本物の情報がどれかわからないようにすればいいのだ。
最近のコメントスパムは、おそらく誰かの依頼で、情報の希釈化を目論んでBlogやWikiに書きこんでいるのだ。そう考えれば、名前しか書かれていなくても、書きこんだ人の目的は達成されているといえる。ということは、コメントスパムに記されている人物の名前をウェブで検索し、結果を注意深く調べれば、彼のどんな情報が漏洩してしまったのかを見付けだせるのではないだろうか。
- なるほど…、意味不明なスパム投稿にはそういった理由があったのですね。言われてみるとそのような気がします。 - あき