松本 正和, 二井矢 圭佑 & 田中 秀樹 氷の高次構造と均衡原理. 日本結晶学会誌 66, 39-47 (2024) doi:10.5940/jcrsj.66.39
私たちが普段目にする氷は、水分子が規則正しく並んだ結晶です。しかし、実は温度や圧力を変化させると、氷には20種類以上もの異なる結晶構造(多形)が存在することが知られています。本論文では、こうした氷の多様な高次構造がどのようなルール(均衡原理)に従って形作られているのかを、幾何学やトポロジー(図形の接続関係に着目する数学)の視点から解説しています。
氷の構造を理解する鍵となるのが、水分子同士を結ぶ「水素結合」のネットワークです。1つの水分子は周囲の4つの水分子と結合し、正四面体のような配置をとろうとします。しかし、ミクロな視点での理想的な配置を全方向に広げようとすると、どうしてもネットワーク全体に歪み(幾何学的フラストレーション)が生じてしまいます。
この解説では、水分子のネットワークがどのように歪みを解消し、安定した立体構造として均衡を保っているのかを解き明かします。当研究室で行われている氷の自動生成やネットワーク解析(MT2022, MYT2024)の基盤となる、水と氷の物理化学の奥深い理論的背景をまとめています。
Abstract
水分子が水素結合によって形成する氷の多様なネットワーク構造(高次構造)について、幾何学的な制限やトポロジー的な均衡原理の観点から解説する。(要旨情報なし・Geminiによる要約)
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