スプーンと元素周期表

サム・キーン著 (早川書房)アマゾン

自分の経験で言えば、基礎化学の講義よりも、その途中でぽろっと話される余談のほうが記憶に深く残っていることが多い。そんな、元素にまつわるありとあらゆる余談だけで一冊の本になってしまったのがこの本である。元素発見の歴史はもとより、それにまつわる人間模様、研究者の生きざまを描くかと思えば、電子配置から地球外生命、ボーズアインシュタイン凝縮や量子ドットまで、元素に関する話題を硬軟交じえて縦横に繰り出し、全く飽きさせない。できれば学生には内緒にしておいて、講義担当者にお薦めしたい一冊。

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